愛と哀







「だからって……」


「階段から突き落とした程度で死ぬなんて、脆いね」


「っ……お前、狂ってる」



玲央さんは視線を春田くんから私に移した。




「七乃ちゃん、大丈夫?この首輪……何?」


玲央さんの手が肩に置かれた。

次に、首輪に触れた。




「お前、何だよこれ……何で七乃ちゃんが首輪なんて」


「どこにも行かせないため。七乃には、常に俺の目が届く所にいてもらわないと」


「だからって、これじゃ七乃ちゃんが可哀想だろっ!!」


「どうして?これが七乃の幸せなんだよ?」



玲央さんは驚いた顔をして「そうなの?」と聞いてきた。

が、私は軽く放心状態で。



微かに首を横に振って否定する事しかできなかった。