「お前っ……」 階段を上がってすぐ、玲央さんは春田くんの胸倉を掴んだ。 「母さんにっ……何をしたんだよ!!」 「別に」 「嘘つくなよ!!だって母さん……息、してなかった……」 全身が凍りついた気がした。 息をしてない。 死んでるという事。 彼が殺した……。 「いいじゃん。あの女は俺らの事なんか、何とも思ってない。子供の事を愛さない最低な母親は死んで当然なんだよっ!!」 彼の意見が正論か間違いか、区別がつかなかった。 それくらい私は放心状態だった。