愛と哀






「春田くんっ……!!!私、聞きたい事があるのっ!?」


その場しのぎのために、咄嗟に出た言葉だった。




「……聞きたい事?何かな」


ニコッと笑いながら、春田くんは包丁を向けるのをやめた。

それだけでホッとした。




「あ、のね……私、見つけたの……」


「見つけたって?」


「春田くんの、お母さんらしき人と……私の、お父さんが一緒に写ってる写真を」


「……」



一瞬、春田くんが目を見開いて驚いた顔をした。


でもすぐに無表情になった。




「なーんだ。聞きたいのって、そんな事か」


「っ」



包丁の刃先をジッと見つめながら「ははっ」と鼻で笑った。