――ピンポーン。

数分後、哲也がやって来た。



「じゃあ、上がって。こっちだよ」

「え?」


玄関先で渡されると思っていたので、哲也は少し戸惑った。



「私の部屋にあるから、好きなの選んで」

「あ……うん」


毎日のように家まで送っていたが、中に入るのは初めて。


それも、有希の部屋――なんて。


哲也は一気に緊張した。


と、同時に、どんな部屋なのかとワクワクした。


黒のパイプベッドとかめっちゃ男っぽかったらイヤだな、なんて思ったりもした。



そして。

有希の部屋に入った瞬間、


――マ、マジ?!


目が点になった。