学校を出てすぐ、


「あっ!!」


哲也はハッとして立ち止まった。


「荷物取って来るの忘れてんじゃん」

「……私は最初から気づいてたけど」

「だったら言えよ~」

「だって、荷物ない方がいいでしょ?」


有希の恥ずかしそうな表情で、その意味は伝わった。


「あ……あぁ」


つないだ手の温もりに、哲也の胸までもが熱くなった。