男は、女を守るもんだ――。


氷川先生に言われてから、哲也は考えていた。



ホースで水をかけるような男より、守ってくれる男の方がいいに決まっている。




それに。


裕之のように、いや、裕之以上に、有希と仲良くなりたい――。


心の奥底でずっと思っていた。



ケンカ相手の有希と、急に仲良くなるのは無理だから、まずは普通の友人になろう。


哲也は、第一歩として、有希に対する口の悪さを改めることにした。