あ、カバンがあるじゃん。


確か、そこら辺に置いたはずなんだけど…。


ここに来るときに一緒に持ってきたカバンを探す。


グルっと辺りを見回して襖の近くに置いてあったのを見つけた。


それを取ろうと立ち上がると、腕を引っ張られた。


沖「どこ行くんですか?」


その口調は刺があって冷たかった。


『どこって…。そこにあるのを取りに行くだけなんですけど…。』


沖「あ、そうですか。ならいいです。」


そう言えばすぐにいつもの口調に戻った。


なんでだろう?


逃げるとでも思ったのかな?


カバンを取って、軽く中身を確認する。


うん。足りないものはない。


少し駆け足で元の場所に戻る。


3人は興味津々でカバンを見ていた。


カバンに釘付け状態だ。


『なんか、すごい見られてるんですけど?』


近「いや、すまない。珍しいのでね。」


『そうですよね。少し待ってください。中身を全部出すので。』