終わると必ず私を抱きしめ 「ごめんね、香織」 そう言うんだ。 私は佐々木さんから離れ 乱れた衣服を直して その場を離れた。 「香織…待って!」 その声に振り向かない。 私は階段を駆け上がった。 そして、人気の少ないトイレへ駆け込んだ。 『どうして……』 泣きたかった…… けど、腫らした顔で席には戻れない。 大丈夫… あと少しで勤務時間も終わる… それまで、我慢…。 そう決めて、自分の席には戻った。