触らないで




そう言われたとき、何かに押しつぶされそうになった。




思いっきり叩かれたところは、痛いというより、
すずの心の叫びを表してるようだった。




何が何なのか分からない。辛い。苦しい。




そんな、気がしたんだ。




追いかけられることもできなくて、
俺はすずが背を向けて走る所を見る事しか出来なかった。




仮に今、また追いかけて捕まえても、なんて声をかけたらいいのか分からなかった。