岡本くんの愛し方









二日目、体育館…。




ほとんどの生徒達が集まる中、
舞台では告白する男の子と、
告白されてる雅ちゃん。




ただいま10回目。




それと同じく、
告白する女の子と、される岡本くん。




ただいま12回目。




どっこいどっこいの戦いを繰り広げており、
みんははもう、振られてる所しか見てない。




「終わらないね〜」




「あ、遠藤くん!」




「お久しぶり、小鳥遊ちゃん!」




本当に話すのは久しぶり。
夏休み以来かな?




「どうよ、千尋」




「どうって?」




「あり?気づいてない感じ…?
いや、じゃあ、何でもない」




笑いながら手を横に振る遠藤くん。




変なの〜。




「もうみんな、振られる所を見るのはこりごりって感じだね」




「でも、2人ばかり指名され続けてるし…」




ほかの人が指名されない限り、終わらない気が…




「ただいま、すず」




「あ、雅ちゃん!」




「後は女子だって。
いま50人やって、成功が20人…厳しいわね」




その10人くらいは雅ちゃんが振ったんだけどね。




「千尋はあれが最後かな?」




舞台の方を見ると、小さくて、可愛らしい女の子に告白をされてた。




「好きです…っ」




「うん、ごめん」




…でも岡本くん、好きな人いるんだよね?
一体誰なんだろう…。




「…ねぇ、これって今から申し込み出来る?」




岡本くんの言葉に、会場がざわつく。




私も、遠藤くんも雅ちゃんも、驚きのあまり開いた口が塞がらない。




「おぉっと!ついに岡本くんの好きな人判明か?!
特別に許可しましょう!それでは、どうぞ!」




え、え…




岡本くんの好きな人分かっちゃうの?




逃げ出したいような、逃げ出したくないような…




「すず、逃げちゃダメよ」




雅ちゃんはそう言って、私の手を握った。

なんか、安心するな…。