* 富山は深呼吸してから、ドアを開けた。 「失礼します」 「……なんだ。お前か」 椅子に座ってネイルをしている麻都佳。 富山なんかに興味がないと言わんばかりに、ネイルに夢中だ。 「何の用?また調べてほしいことか?」 「あ、いえ……。その、この間のお礼を……」 富山は紙袋を麻都佳に渡した。 麻都佳が怪訝そうな顔をする。