異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。




ヒスイのアドバイスにあたしは素直に頷く。


「わかった。あたしが再度封印すればいいんだね」


《そうじゃ。ここはあのカレー屋から続く要となる地点。見ての通りにこの地の力の流れが息づいておる。世の王たる者の末裔であるそなたなれば、封じることは容易かろう》


ヒスイの話に納得して再び頷いたあたしは、勾玉を手に皇帝陛下から託された鏡を取り出した。手にした短剣も鏡も勾玉も、流れに呼応するように淡い光を放ってる。


ゆっくりと瞼を閉じて深呼吸する。


心を凪いだ水面のように落ち着かせて、意識を光の流れに集中する。


とくん、とくんと脈動を感じたのは翡翠の勾玉から。


そういえば、いつか聞いたことがある。勾玉は胎児の形を模したのかもしれないのだと。


あたしの中に息づくもうひとつの命。バルドとの赤ちゃんが、力をくれるような気がして。短剣を持つ手に力が籠った。




――そして



“視えた”。


古代兵器が起き上がりつつある様が。


鏡を通さずとも見えて、はっきりと自覚する。


自分の意識が、無限に広がりつつあるのだと。


皇帝陛下のそばで奮戦するバルドやアスカ妃。的確に軍を指揮するハルバード公爵。無事に避難できたミス·フレイルEtc.


たくさんの人々の姿や現状が、手に取るように解った。