異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。




「あたしに……力が?」


今まであたし自身巫女として大した力は使えてない。だから余計に自信を持てなくて、何度も巫女であることを否定してきたのだけど。


《仕方なかろう。ヒトミがそなたの力を恐れ、神器をそれぞれ分散させおったのじゃ。じゃから今まで本来の力を出せなかったのだぞ》

「お母さんが!?」


ヒスイの話がにわかには信じられなくて混乱していると、おっさんが耳をほじりながら惚けた口調で言う。


「うん。そりゃ先代の巫女も恐れるだろう。なにせ君は、腹の中にいた時からヒトミを超える力を持ってたんだ。あまりに大きなパワーでヒトミですら封じたり御しきれない。だったら、とヒトミは神器の二つをこの地に置いていった……だから、君は巫女として満足に力をふるえなかったわけ。神器は力を解放するキーアイテムだもんね」

「……お母さんが……わざとあたしの力を出させないようにしてた……」


あたしが巫女だということが信じられなかったのは、まったく何の力もなかったからだ。日本にいた時だって、何かを感じたり予知夢すら見た経験もない。だから、それを根拠に嘘だと否定し続けたのだけど。


「ヒトミは……日本へ逃亡するなら、君には普通の女の子として育って欲しいと話してた。だから、きっと君の力が発現しないように頑張ってたんじゃないかな?」


つまり……お母さんはあたしが巫女とならないよう、意図的にあたしの力を抑えることをしていたんだ。ようやくそれが納得できた。


《そなたの潜在的力と比べれば、ヒトミの力は微々たるものじゃった。じゃから、ヒトミは力を抑えるために相当無理をしたようじゃな》