火を絶やさないようにしながら、ゆったりと自分のことを話す。
「……で、あたしは今義理の家族と一緒に暮らしているんです」
「なるほど。なかなか波乱万丈な人生を送られてきたんですね」
なるべく主観が入らないように気をつけたけど、やっぱり大変そうって言われちゃうんだな~って呑気に考えた。
「そうでもないですよ。自分ができることを考えて、それを一生懸命こなしてきただけですから。そんな生活だって、できることが増えて結構楽しいもんです」
親しい人や家族を次々と失った経験から悟ったんだ。自分の人生、泣いてても誰も助けてくれないなら、自分で何とかしなきゃ。
後ろ向きにうじうじしてたって、何にも解決しないし前に進まない。なら、楽しくしていかなきゃ損だ。
そんな持論に、セリスさんは嘆息する。
「やはり、あなたは強いひとです。どんな逆境でもそれを乗りきれるしなやかな強さがある」
「そうでもないですよ」
あたしは胸元にある緑色のペンダントを取り出して、それを手のひらに載せた。
「あたしは、誰かに支えてもらってるから頑張れるんです。友達の芹菜にしても、秋人おじさんにしても。お母さんや伯母さんとの大切な思い出も、あたしの支えになってます」
はっきりと憶えてる。秋人おじさんと輝く夜空を見上げた夜を。
あの夜の、おじさんとの思い出は確かにあたしの中に息づいてる。もしもおじさんと二度と会えなくても、大切で幸せな記憶。
そっとまぶたを閉じれば、今でもあの満天の星が落ちてきそうに思えた。



