歩きながら薪になる乾いた木切れを集めていたから、さっきのおこした火を種火にして新しく焚き火を作ってみる。
山だと夏でも夜は気温が下がる可能性が高いし、動物を遠ざけるためにも火は必要だ。
「ひとまず、そこにいてください」
焚火が完全に燃え始めたところで、あたしは外に出て乾いた落ち葉を集める。
これは、あくまでも非常時の簡易な暖の取り方。落ち葉を集めて布で包めば、インスタントベッドや布団の出来上がり。
布がなければ、落ち葉で体を覆えば多少マシになる。
あたしは何故かたっぷりな生地の白いワンピースを着てたから、スカートの部分を裂いて落ち葉を包む。何とか一人分の布団ができたから、セリスさんを無理やり寝かせて彼に落ち葉をかけた。
「少し待っていてくださいね。食べ物がないか探してきます」
「そんな。あなたばかりに任せるわけには……」
「いいんです。あなたは体の心配がありますし、それに。言いにくいですけど、今のあなたに食べられるものの区別はつきますか?」
やはりセリスさんは気後れして協力を申し出てきたけど、やんわりかつきっぱりと断る。
彼の好意はありがたいけど、記憶がないということは、=知識がないということ。
つまり、毒キノコや食べてはいけない食物の見分け方がわからない。それ以前に、食べていいものかどうかすらわからない。
いちいち訊かれて確認するより自分で行った方が早いし、セリスさんの体の心配もある。そんないろんな理由で彼の同行を断った。



