「ハンカチ……っと。あった」
ポケットから綺麗な布が出てきたから、それを両端で低木の間に結んで下には大きめの葉っぱを敷いておく。そして、上からそっと朝露で集めた水を注いだ。
これは、あくまでも非常時に水をろ過する方法。手元に道具が少なかったり、時間がなかったりした時に仕方なくってところ。
「一応煮沸したいけど……かまど作れるかな?」
ろ過してる間に簡易的なかまどを作ろうか、と石を集める。ついでに薪になる乾いた木も集めて、火起こしをしてみた。
薄く削った木を使って火口を作り、石と木を使って火をおこす。ちょうど火がついたところで、水が貯まったみたいだった。
「あ、でも容器がないか」
煮沸するには少なくとも鍋が必要だった。うっかり忘れてた自分をバカだと思う。
「しょうがない……このまま飲むか」
ため息をついた時、ドサリと鈍い音が聞こえて飛び上がるほど驚いた。
(なに? 何かが落ちた……?)
とっさに火を消してすぐ藪に身を隠す。しばらく様子を窺ってみたけど、他に物音は聞こえない。
(誰かが倒れた?)
音の感じからして、無機物……岩のような硬いものじゃないと思う。それじゃあ、もしかしたら動物か……人間という可能性が高い。
(もし倒れたなら……助けてあげないと、だよね)
自分が遭難しかけてるのにバカかもしれない。だけど、知らん顔なんてしたくない。
自分が困った時、助けてくれる人がいてあたしは嬉しかった。だから。
一応、武器として木の棒を持ち警戒しながら進む。
そして……見つけたのは。
霧と同じ銀色の髪を持つ、とても綺麗なひとだった。



