異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。




「つまり、制限があるということですか?」

「そうじゃ。それでも神と呼ばれるに相応しいの力はあるがの」

「……………」


神……って。よくわからない。自分がそんなにすごい存在とは思わないし、思えない。いつもぐじぐじしてて、迷ってばかり。人としてもダメなのに、人を超えるとか言われても。


「な、和さぁん……あ、脚」
「己にふさわしくない、と悩んでおるようじゃの」


おじいちゃんの言葉に、素直に頷いた。大事過ぎて、あたしの手に余る。


「だいたい、巫女だってあたしには相応しいと思えないんです。そんな大それた力があるとは信じられません」

「ほっほっほ」


唐突に、おじいちゃんが笑いだした。嫌みじゃなくって、朗らかな笑いにハテナマークが浮かぶ。


「そなた、もう信頼するに足るぱーとなーを得ておるではないか」

「え?」

「その腕輪じゃよ」


おじいちゃんが指差した先にあったのは、バルドが贈ってくれた緑色の腕輪。仄かに光を放つそれを、おじいちゃんは目を細めて見た。


「そなたを護る強い意思の力を感じる。先ほどワシを吹き飛ばしたのもその力によるものじゃ」

「あ、あのセクハラ」
「うおっほん!」

「良い年して相変わらず色惚けしておられるようじゃな、この大神は」


ヒスイが絶対零度の氷より冷たい視線を大神に向ける。おじいちゃんは、ゴホンゴホンと咳をしてカタカタ震えた。


「ひどいのぅ! 老い先短い老人の密かな楽しみなのじゃ。多少はいいじゃろ~」

「玄孫までおるくせに、何を言うか。われわれに寿命はないも同然であろうに」


プイ、とそっぽを向いたヒスイは、あとは我関せずな態度でお茶を飲み続けた。