たぶん、疲れていたんだと思う。ちょっとだけ……とソファに横になったんだけど、いつの間にかうたた寝をしてたらしい。
控えめなランプの薄明かりが見えて、ハッと意識を覚醒させた。
寝室にも簡易な椅子とテーブルがある。そこに腰を下ろしたバルドらしき後ろ姿は、静かに書類を捲り何かを記入してる。
とっくに日が暮れていたみたいで、窓には厚いカーテンが下ろされてる。すっかり薄暗くなった室内では、彼が動かすペンの音だけが響いてた。
時計を見ると、もう日付が変わる前。こんなに遅くなるまで仕事してるのに、わざわざあたしに時間を割いてくれたんだ。
ほんのちょっと安堵して体を起こせば、ふわふわの重みが膝に落ちる。
(あれ? あたし……ソファで寝てたはずなのに、なんでベッドにいるの?)
しっかりとかけられていた布団は、たぶん肩まで覆ってたと思う。
まさか……もしかすると。
バルドがわざわざベッドまで運んでくれたの? 胸を押さえながら速くなる動悸を感じていると、急に声が聞こえてどっき~ん! と心臓が跳ねた。
「起きたか」
「あ……ああ、うん」
コクコク、と頭を縦にふると、背もたれを引いたバルドが立ち上がる。そしてそのまま彼はベッドに近づくと、その縁に腰を下ろした。
ギッ、とたわみ軽く跳ねるマットに緊張が高まる中で、バルドはジッとあたしを見つめてくる。
ち……近い!
無意識に体を後ずさると、バルドはそれだけ距離を詰めてきた。



