ミス·フレイルは飲み物と軽食をテーブルに残していった。
ただ『寝室でお待ちくださいませ』って。意味がわからない。
バルドが来るのを待てばいいなら、別にいつも過ごしてる部屋で……と思うんだけど。今の自分の格好を見下ろしただけで、ぎゃ~! とムンクの叫び状態になった。
なんじゃ、この透け透けキャミさんは!
慌ててドレスルームに駆け込み、上に羽織るものを捜そうとしたけど。鍵!開かない。
ミス·フレイル。あたしにこんな格好でバルドを出迎えろとおっしゃいますかあ!
部屋中を漁って何とか薄い上着を見つけて羽織ったけど、せいぜい腕とおへそ辺りまでしか隠せない。肌が見えてるキャミなのに下着なしって……どんな変態に見られるか!
これじゃあ外、出られない……。
あたしの貧相な体を見せられてしまった気の毒な方々(被害者)が続出してしまいますからね。
うぅ……バルドはいつくるんだろう。胃が痛くなりそう。
こんな格好で寝台の上で媚びを作って『アタシをた·べ·て(はぁと)』なんてやった日にゃ、間違いなく皆さん卒倒しますわね……悪い意味で(遠い目)
(だけど……バルドが拒むにしても、一度話さなきゃ。怖くても逃げるんじゃなくて、ちゃんと話す)
ハロルド国王陛下もおっしゃってた。君たちは言葉が足りないって。
バルドは寡黙だし必要最低限の事すら話してくれないけど、ちゃんと伝えるべきことはきちんと言ってくれる。怖いって顔を背けちゃダメだ。
(バルドがあたしをもう要らないと言っても、受け入れるから)



