異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。






(おじさん……あたし、どうしたらいいの?)


割り当てられた部屋に戻り、ベッドの上でペンダントを握りしめる。いつもはそれだけで不安感が薄れたけど、心細さもある今は簡単に気持ちが安らがない。


レヤーがあれこれ便宜を計ってくれるから、異世界に来てもスムーズにセリス皇子に会えたけど。もしも彼の助けがなかったら、空から落ちて海の藻屑になっていてもおかしくないんだ。


それだけじゃない。仮に陸地にたどり着けたとして、食料も水も持ってなかったし土地勘もない。おまけに移動は徒歩のみだったから、今ごろ飢えながら見知らぬ土地でさ迷うか、最悪命を落とす可能性もあったんだ。


本当に、旅の中ではあたしは何の役にも立てなかった。レヤーの助けがなければ何もできなくて。


こんなあたしが、異世界の巫女だなんてたちの悪い冗談としか思えない。取り立てて特徴のない、平々凡々が服を着てるようなただの女子高生なのに。


今、あたしが保護してもらえてるのは“ミナセの巫女”と思われてるからだ。


たしかにあたしが養子になる前は水無瀬という名字で、水無瀬 和と呼ばれてた。けど、たったそれだけであたしが巫女というには無理がありすぎる。


散々持ち上げられて、違っていたらその後はどうなる?


よくて解放されるだろうけど、最悪命の危険もありそう。帝国だの皇帝だのには、あんまりいいイメージないし……。まさか……巫女を偽ったとかで、死罪とかないよね?考えただけでぶるりと体が震えた。