「自分を、独りだと思わないでください。あなたにはわたしがいます」
水のように澄んだセリス王子の声が、あたしの鼓膜を通じて空っぽになった心に響いた。
慈雨のように、染み渡る。彼のぬくもりとともに、あたしの体に暖かさを取り戻させた。
「わたしは、あなた一人の罪にはしません。もしもこれがあなたの罪になるなら、わたしもともに罪を背負います。罰を受けるならともに。それでもあなたの苦しみは減らないでしょうが……他の誰が敵となっても、わたしだけはあなたの味方であると誓えます」
後ろから遠慮がちに抱きしめられているだけなのに、まるですべてを包まれているように感じた。セリス王子の真摯な心は、いつだって彼の言葉を真実としてくれる。
「……何度でも言います。わたしは、あなたを護ります。何があっても、あなただけは護りたい」
そこで、わずかに腕に力を込めてきた。そんな場合じゃないのに、ばかなあたしの心臓がとくんと跳ねる。
「……おい、行くぞ! 団長の居場所が判った。合流して早く情報をもらわねえと動きもとれねえ」
「そうですね。ひとまず騎士団団長の指示を仰ぎましょうか。後は彼と相談して……」
ハルトの言葉にセリス王子が応じる。ロゼッタさんはいつの間にか馬を用意してくれていて、ハルトとカイル王子が跨がった。
「レヤー、お願い。あたしも連れていって」
「構いませんけど、大丈夫ですか? 相手は相当腕が立ちそうですよ」
「わたしが護るから平気ね」
あたしと一緒にレヤーに跨がったロゼッタさんが、ブンブンと斧を振り回す。レヤーの尾羽の一部が切れ、真っ青になった彼は「は、はいぃ」とフリーズしてた。



