《そなたが、己のつまらぬプライドを護ろうとした結果なのじゃ! 既に数百という命が散っておる。それは夢でない現実なのじゃぞ!》
「そんな……そんなのっ知らない! あたしだって……知らなかった。こんなの……こんな……イヤだ!」
耳を塞いだはずなのに、声が聴こえてくる。
――熱い
――痛い
――寒い
――どうして?
――なぜ……こんなことに。
――おかあさん……。
無数の声があたしの中に入っては響いて消えていく。
声が消えた瞬間――それは、命が尽きた時なのだと。ハッキリと判った。
また、消える。
命の炎が。
儚く散っていく――。
「イヤだ……嫌だあ!」
あたしの……せいなの? あたしが拒んだだけで……これだけの人が死ななきゃならなかったの?
わかんないよ。
お母さん……あたしは……どうしたら?
顔を覆ってその場で踞るしかなかった。
どうしたら……どうしたら、許されるの?
あたしが起こしたとんでもない罪は。どう償えば。
世界が、絶望にしか見えない。
本当に、自分は孤独なんだと。こんな罪深い人間だから、孤独だと絶望で満たされた瞬間。
ふわり、と水のような薫りに包まれた。



