「あなたのいた世界とこちらの世界では、実は時間の流れる“速さ”が違います」
「……ど、どういうこと?」
「これは……ディアン帝国より旧い時代の文明の古書に記されていた情報なのですが……」
セリス王子は躊躇いながらも、あたしへ真実を教えてくれる。“時が来たら真実をお話します”という約束通りに。
「この“星”にあった文明も、昔は他の星へと船を飛ばせる技術があったそうです。今はほぼ失われてしまって、その面影もありませんが……。
昔の文明は、他の星を調べることで我々の星の成り立ちを知ったそうです。
そして、判ったことは“1日の流さも1年の流さも違う星が当たり前にある”……ということでした」
「……時間の長さが違う?」
「ええ。あなたはこちらへ来て直ぐに馴染んだでしょうが……本来ならば、何らかの力や意図的な作用が無ければ体内時計が狂い、健康を損ねたり。最悪命の危険すらあるのです。
レヤーさんは、かなりの力をお持ちですし自然と同調を行えたのでしょう」
レヤーが自分を翼で指し、「そうでしたか」と呟いていた。
「確かに。強制的な移転では体に相当な負担がかかりますからね。物理的な作用だけでなく、時間軸の作用の影響もありましたか」
「あなたは御上と融合され、神と変わらぬ力を得ていらっしゃる。だから、無意識に体を護る作用の力を使えたのでしょう」
「なるほど~だから“物”なんて無機物を持って越えることは可能でも、“人”などの命のあるものの移動には制約があったんですね」
セリス王子はレヤーを見上げながら説明をしたけど、あたしは納得が出来ずに疑問をぶつけた。
「それなら、どうしてあたしは平気なの? それに、ユズは去年こちらへ来てたって言ってた。日本の時間とだって合ってる。これにはどう説明つけるの?」



