異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。




「そ、それは……ねえよ……たぶん」


自信なさげなハルトの声が、逆に不安を煽る。安心させようとして失敗してますよ。


「まあ、こうなったら何が孵るか楽しみにする」


半ば自棄になって開き直ってみれば、ハルトはぽかーんとした顔で頭を掻いたままフリーズしてた。


「おま……それ、自棄すぎだろ」

「いいから! それより、真実ってなに? 教えてよ」

「あ~……」


ガリガリ、とハルトは困ったように眉を寄せて、数巡のためらいの後にはあっとため息を着く。


「今、ぜんぶは話せねえ。とりあえず、言えることはひとつだ」

「……いいよ、何でも。覚悟はしてるから、お願い。教えて!」


あたしがすがりつくように見上げると、なぜか耳まで赤くなったハルトは片手で口元を覆う。

反則だろ、それとかブツブツ意味不明なことを言いながら、やっと教えてくれた。


「じゃあ、教える。和、――秋人のことはあきらめろ」

「……!?」


一瞬、ハルトの放った言葉の意味がわからなかった。いえ、頭が理解を拒んでた。


「な……なんで? なんで、そんなこと言うの? あたしがどれだけ……秋人おじさんを探してたか、知らないはずないでしょ!?」

「ああ、もちろん知ってる。だから、言うんだ。絶対に無駄なことだからな」


ハルトは確信をもって残酷な言葉を紡ぐ。


「……なんでかって? それは彼が、百年前に“いた”からだよ」