一応お医者様の診察を受けたら疲労と睡眠不足と診断され、とにかく休むようにと言われてしまいました。
『まったく、バルド殿下にはもう少し自粛していただかねばなりませんわね』
「…………」
まだ盛大な誤解をしているらしいミス・フレイルには、違うと話したのに聞く耳持ってくれません。
「ナゴム!」
お医者様が診察を終えて退出した後、入れ替わるように部屋に入ってきたのはロゼッタさん。彼女は汗だくな上に髪も乱れて、ドレスはあちこち擦りきれ汚れてた。
「ナゴム、倒れたって聞いた。大丈夫だったか?」
「うん、たいしたことないけど……ごめんね。よけいな心配かけちゃって。捜してくれてありがとう」
「いい! ナゴムが無事なら、わたしは平気。今日はもう休むなら、護衛につくね」
ロゼッタさんが責任を感じて、あちこち捜してくれていたのはわかる。だから、あまり自分を責めないでねと話したら。なぜか彼女は苦り切った顔をした。
「……捜すの、ヒスイに邪魔された。あいつ悪魔だ」
「え、ヒスイに?」
「“いよいよ仕掛けたものが動いたのう”って満足そうに笑った。意味がわからないけど、なんか嫌な感じだったよ」
ロゼッタさんの思いがけない証言に、あたしは頭を抱えたくなった。



