異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。




ふわり、とミントのような薫りに包まれた。


気がつくと背中に手が回されていて、抱きしめられていると理解した時に芹菜の声が間近で聞こえた。


「和、あなたの気持ちはよく解るわ。アタシだってそうだった……25年前に召喚された時、知らない場所知らない人間で混乱して。何で自分だけ……って恨んだものよ」

「芹菜……?」


訥々とセリナの口から語られる彼女の話は、耳を疑う事実が含まれていて。あたしの頭を冷やすには十分な衝撃があった。


「25年前……って。どういうこと? 芹菜はあたしのせいで巻き込まれたんじゃないの?」

「そう、だとも。そうでない、とも言えるわ。けど、間違わないで。悪いのは和じゃなくて、悪意をもってわたくし達を害そうとする者たち。
わたくしはその連中に、過去を遡って飛ばされたの。
おそらく……まだ力のないヒトミさんを自分たちの思いのままに操ろうとするために。けど、幸いなことにわたくしには予想外の力があったから。やつらの思惑は外れて無事にあなたが生まれた」

「予想外の力?」

「ええ。どうやらわたくしにもほんの少しだけど、違う系統の力があったみたいで。完全には操られずに済んだ。今の国王陛下が王子であった時代、彼に逢わなかったら。どうなってたかわからないわ。彼がいたからわたくしは無事に自分を保てたの。無償の愛を惜しみなく与えて下さる。そんな方だからわたくしは彼を愛したの」