異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。






ゴホン、とあたしは咳払いをした。


あたしとセリナの髪が乱れてるのは、きっと気のせいです。はい。


「それで……あたしはそれ以外で力は使えないの?」

《使えるは使えるが、弱いな。契約のぱーとなーを得てその精を受け入れれば、その限りではないが》

「精を…? なにそれ」

《平たくいえば、契約者とエッチするのじゃ》

「ぶふおっ!」


お茶を噴き出す時に下を向いたあたしを、誰か褒めてください。仮にも王妃や王太子妃にお茶を噴き出すなんて、とてもできませんからな。


《まったく、その粗忽さを直さねば相手などできぬぞ》


呆れたヒスイは……ホントに人間とは違うわ。


「あ、あんたがとんでもないことを言うからでしょ!」

《どこがじゃ? 男と女がおらば自然なことじゃろ。とりあえず、早くぱーとな~……契約者を見つけるのじゃ。ヒトミも契約者がおったゆえに、日本へ渡れる力を得たのじゃぞ》

「え、ちょっと待って。あんたさらっと重要なこと言ったよね」


ガバッと顔を上げて彼女を見れば、ヒスイは《何がじゃ?》と不思議そうに訊いてくる。


「お母さんに契約者がいたって……なら、その人があたしの本当のお父さんってこと?」