「その……芹菜、聞きにくいんだけど。古代兵器と芹菜はどんな関係があるの?」
焦って訊いたあたしを、セリナはクスッと笑う。
「変わらないわね、あなたは。せっかちさんのまま。そう急がないで、順を追って説明するから。あなたが水無瀬の巫女と呼ばれる理由も」
「!」
そう言われたら、大人しく話を聞くしかない。元の椅子に座ったあたしは、震える身体を誤魔化すためお茶を飲む。
ついに……解るんだ。あたしがなぜ、巫女と呼ばれるかが。
「古代兵器を封じたのは、一人の女性。それは古代日本からやって来た一人の巫女でした。彼女の力が無ければきっとこの惑星は全ての命が滅んでいたでしょう」
「それほどひどかったの?」
「わたくしは伝え聞いただけですが、地面は溶けて流れ木々は跡形もなく燃え続け川や湖は干上がり、海でさえ炎が広がっていったと」
聞いただけでぞっと背筋が寒くなる。その最終兵器にどれだけの威力があるかと想像すらできない。お母さんがそれを動かしたくない、と日本へ逃げた気持ちが今ならば痛いほどわかった。
あたしだって、自分がきっかけで世界がそんなふうになって欲しくない。絶対に。
たった3ヶ月でも、ここにはたくさん生きてる人がいるとわかったから。



