異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。




「でも、ライムおばあちゃんは影響を受けてないよ?」

《それは、和。そなたの作りしあの押し花が自然と闇を祓い、ライムを守っておったからじゃ。あの家に懐かしい感じがしたのも、そなたの結界があったからじゃ》

「そ……うだったの」

《秋人はそれを知ったゆえに、ライムを守るため置いていったのじゃろ。じゃが、逆にライムを孤立させたのは皮肉なものだがのう》

「……」


ヒスイの話は胸が痛むことばかりだ。親切で秋人……おじさん……を泊めてあげたライムおばあちゃん。彼女を守るために押し花を置いていった秋人おじさん。


どちらもお互いのためだったのに、結果的にライムおばあちゃんは独りぼっち。


そばにいてくれたら嬉しい、と微笑んだ時のライムおばあちゃんの目が忘れられない。深い、深い孤独感と寂しさ。


いくらかくしゃくとしていても、もう135歳のおばあちゃんなんだ。あたしの世界だと世界記録並み。


たった一度、秋人おじさんを泊めただけ。ただお母さんを娘のように可愛がっただけ。それだけなのに、どうしてライムばあちゃんだけがこんなに深い孤独にならなきゃいけなかったの?

ギュッ、と桶を持つ手に力を込める。


(お母さんをかわいがってくれたなら……今度はあたしがおばあちゃんを守らないと)


あたしにはおばあちゃんの記憶はない。考えてみれば、一度だってそういった話題はなかった気がする。


なら、あたしのおばあちゃんはライムおばあちゃんだ。たった今そう自分の中で決めた。