「ふう、こんなものかな」
慣れない点火に苦労して、それでもなんとか火起こしに成功。薪をくべて火が大きくなるのを見守った。
通気の良くない洞窟の中で焚き火をすると、一酸化炭素中毒の危険があるからあくまでも出入口のそばにしておいた。
「ナゴム、サカナイタヨ~」
しばらくしてロゼッタさんが、桶を抱えて戻ってきた。10センチ程度の小ぶりの魚が数匹だけど、新鮮な食料はありがたい。
「ありがとう。早速焼くね」
魚に塩を振ってから枝に刺し、火に立てて焼き始める。こんな場所でも魚がいるなんて本当に意外だ。
「あ、バルドさんが戻ってきましたよ」
魚が焼き上がるころ、レヤーが教えてくれて助かった。焦がさないように注意をしてたから、気づくのに遅れては「じゅうぼく」だか失格だよね。
「あ、お帰りなさい。焚きと寝床を作っておいたよ。あと、ロゼッタさんがとってきてくれた魚がちょうど焼き上がったところ」
立ち上がって出迎えたあたしを、バルドはなぜか眉を寄せ怪訝そうに見てくる。え? なにかおかしなこと言ったかしら?
「あの……?」
「ああ、わかった」
一瞬だけ目を細めたバルドは、フイッと顔を逸らし手にした袋を地面に置く。ドサッとかなり重そうな音がした。



