ただの通り魔で通る話じゃない。


だが、世間は新聞やニュースの見出しをそのまま信じ込み、美奈の死は変質者による突発的な殺人事件として片付けられていた。


「おかしいだろ、これ」


携帯電話でトピックスを確認していた諒が呟く。


「あぁ……」


俺は力なく返事をした。


今は美奈の葬儀が終わって学校へ戻って来た所だ。


俺と諒は教室へは戻らず、旧校舎の廊下に座りこんでいた。


「なんで警察は俺たちの説明を信じないんだ!?」


諒が口調を荒くする。


「とても信じられる話じゃなかったからだろ。人形が人間を殺すなんて話、誰が信じるかよ」


俺は言う。


しかし諒は納得しなかった。