「…エド。」
そこには輝くブロンドの髪を風に靡かせる彼がいた。
「何回逃げても同じ。俺はサフィを手放すつもりはない。」
まるでそれが使命かのような強い言葉に息を飲む。
「ジア、サフィと話しがしたいからアレンたちのとこに言っとけ。」
エドの言葉に戸惑ったようにサフィに視線を向けたジアだったが、やがて小さく頷きデッキを出て行った。
2人になり、サフィの緊張感はさらに高まる。
「私たちをどうするつもり?」
睨むように背の高い彼を見上げる。
「さぁね。どうしようか。」
サフィのそんな問いかけに、表情一つ変えずにそう返すエド。
「でもまぁジアをどうするかは、サフィ次第だってことは確かだな。」
「え、私次第…?」
「俺が興味があるのはサフィだけ。ジアは次の島で船を降ろしてもいい。」
「っ!?」
サフィはエドのそんな信じられない言葉に目を見開いた。