ぼーっと海を眺めていると、トントンっと軽やかな音がして奥にあった扉が開かれた。

サフィは手摺を掴んだまま、ドアの方へ振り返る。


「あ、お姫さん目が覚めたのか?」


そこにいたのは、サフィと同い年くらいの青年。
オレンジ色の髪はくるくると柔らかくカールしており、光に当たるとまるで太陽のようだ。


「あの…。」


「俺は船医のアレン。」


船医…ってことは、お医者さん?

とてもそんな風には見えないアレンに首をかしげるサフィ。


「急にびっくりしたよな?ごめんな、うちの船長が。」


「船長…?」


アレンは人懐っこい笑みを浮かべ、サフィの問いかけに頷いた。