落ち込んだ様子の彼らを見て、紫劉は手を叩いた。
「まあ、こうしていても仕方ない。三人も長旅で疲れていることだ、暫しこの城に留まって策を練れば宜しかろう」
紫蓮も頷く。
「それが良いでしょう。火麟殿も、宜しいでしょう?」
「はい、異存はありません。全て皇のお言葉通りに」
火麟は二つ返事で承諾すると、深々と頭を下げた。
紫蓮は満足気に頷いて微笑み、次に視線を移す。
「呉羽殿、藍殿、それから由良殿……千霧のこと、どうか頼みます。僕達に出来ることなら、協力は惜しみませんから」
「感謝致します、紫蓮様」
呉羽の返事に、紫蓮は力強く頷いた。
今、頼りなのは此処に居る四聖だけなのだ。紫蓮は千霧の身を案じながら、残された希望にすがった。



