「よし。天夢、蒐たちと合流してくれるか?」 返事をするように吠えると、天夢は森を離れる。先程まで自分の居た場所が焼け崩れるのを、千珠は黙って見ていた。 「あの村は完全に異形の餌食だな。──にしても、酷い有り様だ。蒐たちのところに何人逃げ延びたか……」 腕に抱えた少年は、震える手で千珠の服を掴んでいた。千珠は少年の背を撫でながら、珀の話を聞いている。 「──お前の家族が無事だといいね」 少年はただ、じっと黙って千珠を見上げていた。