哀しかった。 ただただ、哀しさが胸を貫いていく。 呉羽の口から、そんな言葉は聞きたくなかった。 今の自分の状況が、千霧にはよくわからなかった。 わかっているのは一つだけ。 「龍じゃない私はいらない」 此処に『千霧』はいらないということ。