睡恋─彩國演武─


「アイ姐さん、髪の毛どうしたんですか!?」


廓に着くと、天祢の声が響いて、藍は眉を寄せた。


「や……ちょっとした気分転換みたいなもの」


「はぁ、そうなんですか。勿体ないような……ところで、お風邪でも召されました?」


「あ、いや。声変わり」


天祢の動きがぴたりと止まる。

言ってみれば当たり前の反応だ。

よく見知った相手が、少し目を離した隙にこんなに変わってしまって驚かない者など居ないだろう。

藍になったことで、彼はアイの時からガラリと印象を変えた。

いわば、別人。


「今日は見世、休みだよね。座敷に皆を集めてくれない?話があるんだ」


「わ……わかりました……」


天祢は藍の顔を凝視したまま、こくこくと頷いた。