葵のお父さんが、葵とは血のつながらない継父だということはも知っていた。
そしてお父さんには、3歳年下の弟がいるということも。
葵にとって義理の叔父さんにあたるその人は、子宝に恵まれず奥さんと二人暮らしで、
葵を昔から我が子のように可愛がってくれていたらしい。
昨日の大晦日、集まった親戚の中にはその叔父さんもいた。
少し日本酒を飲んだ葵はリビングのこたつで寝入ってしまい、目が覚めたのは夜中だったという。
薄暗い部屋には、ひとりを除いて誰もいなかった。
そのひとりが――
「……叔父さんやったねん」
葵は俺の胸に顔をうずめ、ふるえながら言った。
「叔父さん……眠ってる私の体、コタツの中で触ってた……」
その言葉を聞いたとき、俺は全身から血の気が引いていくのを感じた。
スリ傷のできた肌は、何度も何度も強く洗ったせい。
忌まわしい出来事を消し去るように、何度も。
俺が知らない冬休みの間、葵の身にこんなことが起こってたなんて……。
だけど俺をもっと驚かせたのは、そのあとの葵の告白やった。
「私ね、叔父さんにああいうことされるの、初めてじゃないねん」
「……何、それ?」
「子供の頃から何度も……。
でも私は、なぜかそのことを昨日まで忘れてたの」
そしてお父さんには、3歳年下の弟がいるということも。
葵にとって義理の叔父さんにあたるその人は、子宝に恵まれず奥さんと二人暮らしで、
葵を昔から我が子のように可愛がってくれていたらしい。
昨日の大晦日、集まった親戚の中にはその叔父さんもいた。
少し日本酒を飲んだ葵はリビングのこたつで寝入ってしまい、目が覚めたのは夜中だったという。
薄暗い部屋には、ひとりを除いて誰もいなかった。
そのひとりが――
「……叔父さんやったねん」
葵は俺の胸に顔をうずめ、ふるえながら言った。
「叔父さん……眠ってる私の体、コタツの中で触ってた……」
その言葉を聞いたとき、俺は全身から血の気が引いていくのを感じた。
スリ傷のできた肌は、何度も何度も強く洗ったせい。
忌まわしい出来事を消し去るように、何度も。
俺が知らない冬休みの間、葵の身にこんなことが起こってたなんて……。
だけど俺をもっと驚かせたのは、そのあとの葵の告白やった。
「私ね、叔父さんにああいうことされるの、初めてじゃないねん」
「……何、それ?」
「子供の頃から何度も……。
でも私は、なぜかそのことを昨日まで忘れてたの」



