ヴァンパイアスイーツ

地面に落ちた帽子を拾おうと思って、再び帽子に手をかけたら、女の手が触れた。



そのとき、何か変な感じがした。


そっと女が身体を起こしたときに、女の顔を見て一瞬驚いた。




姫……殿か。




長い茶色の髪の毛、そしてスラッとした顔、すべてがあの方に似ていた。




だか、あの方は三百年前に敵にやられて死んでしまった人。




ここにいるはずがない。




「…………。」



「あの、帽子落としましたよ。」




「あっ、ありがとうございます。」



「いいえ、君は見かけない顔だけどここら変に住んでるの?」




「えっ、あ…はい。」




「商店街で買い物でしょ、送ろうか?」




「あっ、いいえ すぐそこなのでいいです。」




「そっかぁ、気をつけてね。」



そう言うとお辞儀をして、商店街の方へ行ってしまった。