――――私は、欲張ってしまったの?

 遠くへ行ってしまう舞に、気持ちを伝えたかった。

 恋人になりたいとか、そんなことを考えていたわけじゃない。

 そんなことは、初めっから諦めてた。

 恋人にはなれなくても、舞に私の気持ちを伝えたかった。

 舞が好きだって、大好きだって。

 溢れそうな思いに、抑えきれない衝動に、キスしてしまいそうになるぐらい、舞が好きだよ。

 それを伝えたかっただけなのに。

 ――――私は、間違ってしまった?

 溢れてしまった思いを花束にして、舞にあげたかった。

 地面に投げ捨てられて踏みにじられるとしても、差し出すことを止められなかった。

 私は、舞に押しつけてしまったのだろうか?

 舞の気持ちを考えずに自分のことばかり考えて、舞に気持ちを押しつけてしまったんだろうか。

 自分の気持ちを押し殺して、親友の仮面に隠しつづけて、舞が転校するのを待っていればよかったんだろうか。

 そうすれば、私も舞も傷つかずに済んだ。

 でも……そんなの耐えられないよ。

 だって、私は舞が本当に好きなんだもん。