「だって、そうでしょ? 今までずーっと一緒だったのに。体育の着替えも、プールのときも、身体測定のときだって、ずっと一緒だったのに!」


 見開いた眼で地面を見つめて、私の方を見ようともしないで、白い息を吐きながら叫ばれる言葉。


「それなのに、そんな目で見てきたって言われても……気持ち悪い!」


 言葉の刃が私の胸を突き刺して、気が遠くなる。

 このままここで倒れられたら、どんなにいいだろう。

 このまま倒れて、死んで、消えてしまいたい。


「私……気持ち悪いの?」


 冷たい涙が頬を伝う。

 私は、舞が好き。

 最初から恋だったのか、途中から恋に変わったのか。

 それさえわからないぐらい、ずっと舞が好きだった。

 舞の一挙一動に心動かされ、舞の言葉一つ一つが心を躍らせた。

 些細な出来事で一喜一憂しながら、私は恋を知る。

 一番好きな人の一番側にいられて、私は幸せだった。

 たとえそれが親友というポジションだとしても。