「私、わたし……」


 友達だから、なんでも話して。

 全部話せる友人だとしたら、それが私たちの友情を引き裂くんだろう。

 全て話したら、きっともう友達ではいられない。

 薄く開いた唇から、冷たい空気を体に取り込む。

 胸の内で温めた思いを乗せて、そっとそれを吐き出そう。




「稲葉とは、付き合ってない。だって、私が好きなのは……舞だもん!」