そんなこんなで終業式も終わり、教室に戻ると席に着かされホームルーム。

 これが終われば帰れる。

 篠塚が帰る前に、ちゃんと置いて帰ったことを謝らないといけない。

 そう心に決めて席につく。

 隣が三笠の席であるというのが妙に落ち着かない。

 俺ではなく三笠を見ているとわかっていても、こっちを見ていると思うと後ろを振り返られなかった。

 水谷先生が教壇に立ち、連絡事項を述べたりプリントを配ったりして、そろそろホームルームも終わるかというその時、水谷先生がこっちに目を向けた。


「三笠」


 隣の席の、三笠が前に呼ばれる。

 立ち上がり教壇に向かって机の間を歩いて行く三笠に、何事かと教室が少しざわつく。


 いったい、三笠舞がどうしたというのだろう。