in theクローゼット

 ふと腕時計を見ると三時を回っていた。


「どっかで休憩しようか。疲れない?」


 まだ病み上がりの舞が気になって提案すると、いきなり腕を引っ張られた。


「じゃあさ、じゃあさ、ここ入らない?」


 舞に腕を引っ張られよろめきながら角を曲がると、カフェも兼ねたケーキ屋の前に出た。


「ここのパフェってね、ケーキが乗っかってて、すっごくおいしいんだよ!」


 舞の言葉と店内からふんわりただよってくる香りに、ごくりと喉が鳴った。