「愛ちゃん、これお揃いで買わない?」

「え?」


 舞がそう言ったのは、中学生には少し手を出しづらいお値段のアクセサリーだった。

 ピンクとホワイトの二色が交互に入った丸いクオーツのブレスレットは、舞の白い手によく似合いそうだ。


「私が愛ちゃんに買ってあげるから、愛ちゃんは私に買ってよ。クリスマスプレゼントね」


 同じ物をお互い買って交換するなんて無意味なのに、そういうことをしたがる舞に胸の奥がふんわりと温かくなる。

 お揃いの物を持ちたがるなんて小学生みたいで、そこが無邪気な舞らしい。


「うん、いいね」

「やったあ」


 喜ぶ舞と顔が熱い私は同じ商品を持ってレジに向かった。

 別々にお会計を済ませて、プレゼント包装をしてもらう。


「はい、愛ちゃん。メリークリスマス!」

「メリークリスマス」


 お店の前で同じ包装をされた同じアクセサリーを交換する。

 そして、さっそうつけようとリボンをといた。