in theクローゼット


「なによ、それ……」


 腕組みが解かれ、さっきよりも強く両手で肩を押される。


「それ、本気で言ってんの!?」

「本当、です……」


 殴られたような痛みに肩を抑えながらも、それでも私は嘘をつけない。


「ナマイキなのよ!」

「っ……!」


 そしたら、今度は靴底が飛んできた。向うずねを蹴られ、痛みが走る。


「それ、本気で言ってんの?」

「たいして可愛くもないくせに、このブス!」

「アンタに透をふる資格なんてないんだよ!」


 蹴られた足の痛みに思わずうずくまった所に、今度は平手が飛んできた。

 乾いた音が狭いトイレの中に響き渡って、私はタイルの床に倒れこんでいた。

 少し湿ったタイルの感触が頬に触れる。

 叩かれた衝撃なのか少しぼんやりとした頭で、私はなぜか笑っていた。

 青山を振ったことはどうでもいいみたいなことを言いながら、こんどは振る権利がないとか、言ってることめちゃくちゃだ。