「愛ちゃん……」


 笑ってくれればいい。

 少しでも幸せな気持ちになってくれればいい。

 わたしには、そんなことを祈るしか出来ない。


「愛ちゃん、大好きだよ」


 この友愛だけは本物だから。

 大好きだよ、愛ちゃん。

 忘れないで。

 愛ちゃんの前からわたしがいなくなっても、わたしを忘れないで。

 わがままなわたしが立ち上がり、愛ちゃんが立ち去った公園の入り口を見つめる。

 わたしは忘れない。

 愛ちゃんのこと、絶対に忘れない。

 何年経っても、大人になっても、きっと忘れない。

 だって、愛ちゃんはわたしの初めての親友。

 だって、愛ちゃんは初めてわたしに愛を告白してくれた人。

 目尻をぬぐうと、手首のブレスレットがシャラリと音を立てる。



「ずっと大好きだよ、愛ちゃん!」



 もうそこにはいないとわかっていても、わたしは叫んだ。