親父に誘われてきたのはちょっと高級めなレストラン。
「わざわざこんな高いとこじゃなくてよかったのに…」
「たまにしか来れないんだから、いいじゃないか」
クシャッとシワを増やして嬉しそうに微笑まれたら、何も言えなくなる。
そんな俺に親父は
「それに、凌とゆっくり話したいしな」
と優しくそう言う。
「…おぅ」
なんかむず痒いな。
久々に味わうこの感覚も、悪くない。
「おまたせいたしました」
そうこうしているうちに、一品目の料理が出され、俺達は一緒に過ごせなかった時間を埋めるように多くのことを語り合った。

