「・・・・・・・・・・・・それはそうなんだけど、如何せん教科書がないもので」
隣の席の人に見せてもらおうにも、隣は昨日のお昼にワタシを突き飛ばした女子なワケで。
方杖をついたまま、机に視線を落とす。
「・・・・・・・・・・・如何せんて。 人生で聞いたの2回目くらいだわ」
そう言って二宮くんは笑うけど、ワタシにとっては笑い事ではない。
だってこのままでは本当に留年してしまう。
教科書、まじでどうしよう。
部活に入っているワケじゃないから、教科書を譲ってくれるような仲の良い先輩もいないし。
ネットとかで安く売ってくれる人とかいないかな。
とりあえず、スカートのポケットからスマホを取り出し、オークションサイトに繋げてみようかと試みると
「授業サボって携帯いじってんじゃねーよ。 走れば1時間目間に合うから」
手に持っていたスマホをスルっと二宮くんに抜き取られ、手首を掴まれると、半ば強引に立ち上がらされ、引っ張られながら準備室から出された。



