もう、誰も好きにならない。










「・・・・・・・・・・・・・・冴木も歌いなよ。 どうせ暇なんでしょ」







二宮弟がワタシの右手首をグイーっと引っ張った。







「勘弁してよ。 何でワタシが知らない人たちの前で歌声披露しなきゃいけないんだよ。 歌手じゃないんだっつーの!!」







振り解こうとするも、左手首までガッチリ掴まれてしまった。







「イイじゃんイイじゃん!! 冴木の歌声聞いてみたいじゃん!!」







「イーヤーだ!! 二宮弟が歌えばいいでしょうが!!」







「じゃあ、一緒に歌う?? 何歌おっか??」







「ひとりで歌ってよ!! ワタシを巻き込むな!!」







観客席で二宮弟と揉めていると







「手を離しなさい」







頭上で低い声がした。